逆V型エゴグラムとW型エゴグラムの特徴
心理士・こころ
エゴグラムで相性を診断する場合、夫婦間や恋人間の相性診断と考えられがちですが、上司と部下の関係にも適用できます。
このページでは、上司と部下の関係にエゴグラムによる相性診断を適用した例をご紹介しましょう。
エゴグラムの自我状態Aが高く、CPとACが低い
逆V型エゴグラム・パターン
の方は、学者あるいは評論家タイプの方です。
このタイプの方は、論理的かつ現実的で仕事ができるタイプですが、
責任や義務を果たしたり規則を守ることが苦手な上に協調性が乏しく人の意見を素直に聴かないという短所も併せ持ちます。
これに対して、自我状態CP・ACおよびAが高くNPとFCが低い
W型エゴグラム・パターン
の方は、V型と同様の自己矛盾による葛藤を抱えていますが、Aが高い分葛藤や苦悩も深刻になります。
以下、逆V型エゴグラムの上司とW型エゴグラムの部下の相性診断例とその改善方法についてご紹介しましょう。
逆V型エゴグラムの上司とW型エゴグラムの部下の相性の改善方法
相性診断ページ
エゴグラムで相性診断
で相性診断すれば、相性診断例に示す通り、あなたとお相手のエゴグラムからオーバーラップ・エゴグラムが作成され、
『重なる自我状態の数から見る相性』、『重なりが大きい自我状態から見る相性の特徴』、および『重なりが小さい自我状態から見る相性の弱点』がわかります。
このページの例であれば、2つの自我状態が重なっていますので、良好な関係を維持するための最低条件は満たしています。
J.M.デュセイは、『夫婦が良好な関係を維持するためには2つ以上の自我状態の重なりが必要』と言っていますが、上司と部下の関係でもある程度類似したことが言えるでしょう。
また、二人の相性には以下の相性の弱点があることが指摘されています。
- 嫌なことがあるといつまでもその感情を引きずり気分転換ができない傾向があり、これが原因で二人の関係に亀裂が入る可能性がある。
- 人に対する関心が低く、思いやりの心や人に共感することが少なく、これが原因で二人の関係に亀裂が入る可能性がある。
上司は論理的かつ現実的で仕事ができるタイプですので、ACが高く周囲に気を使いすぎる部下に対して、
自主性が乏しいと思いながらも、組織として成果を出すため、部下にどんどん指示を出しながら仕事を進めて行くでしょう。
一方、葛藤型の部下は、様々な悩みを抱えながらも上司や周囲に気を使うあまり働き過ぎる傾向になりますが、
FCが低いため気分転換ができずストレスを溜めこんでしまい、心の病に陥ってしまう可能性があるでしょう。
このため部下は、『ヘエ!すごいな!』『ワア!カッコいいなあ!』などと反応するよう心がけFCを高めるよう努力する必要があるでしょう。
また、部下はW型エゴグラムとは言ってもAがそれ程高くはありませんので、職場での人間関係を良好に維持するためにはAをさらに高めると良いでしょう。
夫婦や恋人間の関係とは異なり、職場での人間関係ではあくまで仕事と割り切り、相手に多少冷たい印象を与えたとしても、冷静かつ客観的に物事に取り組むよう努力するのが良いでしょう。
一方、上司の側も、もう少し部下を思いやる気持ちを育む必要がありそうです。
逆V型の方は仕事ができるタイプですので、一人で物事を進めるのは得意でしょう。
しかし、部下のタイプによっては追い詰める結果になる場合がありますので、部下の気持ちを共感できるようNPを高める努力が必要でしょう。
逆V型エゴグラムの上司とW型エゴグラムの部下の相性診断例
逆V型エゴグラム・パターンを持つ上司のエゴグラム例
W型エゴグラム・パターンを持つ部下のエゴグラム例
逆V型エゴグラムの上司とW型エゴグラムの部下のオーバーラップ・エゴグラム例
オーバーラップ・エゴグラムの自我状態の重なりがプラスで高いほど、二人がその自我状態の特徴を共通して持っているため価値観が近いことを意味しています。
そして、自我状態の重なりが0点になると二人の自我状態の重なりが無くなりますが、0点近辺であればどちらか一方が相手を補う形で関係を維持することができるでしょう。
しかし、重なりがマイナスになる自我状態の数が増えると、二人の言動がかみ合わないことが多くなるでしょう。
自我状態の重なり - CP:-1点, NP:-2点, A:9点, FC:-5点, AC:2点
重なる自我状態の数から見る相性
エゴグラムの開発者であるJ.M.デュセイによれば、夫婦が良好な関係を維持するためには2つ以上の自我状態の重なりが必要です。
二人は2つの自我状態が重なっていますので、二人が良好な関係を維持するための最低条件は満たしています。
重なりが低い自我状態をお互いに改善する努力を継続し、重なる自我状態の数がさらに増えるようにしましょう。
また、重なりが最も低い自我状態があなた方二人の弱点になりますので、高める努力をしましょう。
重なりが大きい自我状態から見る相性の特徴
最も重なりが大きい自我状態はAですので、二人は、物事を現実的かつ客観的に考え、常に冷静沈着な関係が築けるでしょう。
しかし、感情表現が乏しく、人の感情や気持ちに無頓着になりがちですので、相手や周囲に冷たい印象を与えがちになりますので注意しましょう。
重なりが小さい自我状態から見る相性の弱点
最も重なりが小さい自我状態はFCです。
このため、嫌なことがあるといつまでもその感情を引きずり気分転換ができない傾向があり、これが原因で二人の関係に亀裂が入る可能性があるでしょう。
この点が二人の関係の弱点になりますので、お互い注意しましょう。
2番目に重なりが小さい自我状態はNPです。
このため、人に対する関心が低く、思いやりの心や人に共感することが少なく、これが原因で二人の関係に亀裂が入る可能性もあるでしょう。
この点も二人の関係の弱点になりますので、お互い注意しましょう。