バランス理論(Balance Theory)

心理士・こころ
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   F.Heider(1946) は人(P:Person)と相手(O: Other person)と対象物(X)には4種類のバランスする関係と、4種類のアンバランスな関係があり、 全ての関係は、より安定したバランスした関係に向かうという バランス理論(Balance Theory)を提唱しました (" Attitudes and Cognitive Organization(態度と認知の秩序)")。
3者(3人、あるいは2人と1つの対象物)の関係は常にバランスが大切であり、 仮に、一時的にアンバランスな関係に陥ったとしても、それは徐々にバランスする関係に向かうという説です。 ここでは3者の関係に言及していますが、世の中の関係は3者の関係の組み合わせで表現されますから、 世の中の人間関係全般に適用できる説と言えるでしょう。 以下、バランス理論について、考えてみましょう。

4種類のバランスする関係

   人(P)が相手(O)を好きなケースを P+O と表し、人(P)が相手(O)を嫌いなケースを P-O と表します。 この時、人(P)と相手(O)、および対象物(X)がバランスする関係には以下の4種類があります。 対象物(X)は、物、趣味、アイデア、出来事あるいは人でも成立します。 わかりやすくするために、人(P)→私、相手(O)→彼、対象物(X)→読書に置き換えると、以下のように表現されます。
対象物(X)が人の場合には、3人の人の関係を表し、バランスする関係は以下のように表現されます。 完全には成立しない場合もあるでしょうが、概ね成立すると感じるのではないでしょうか。

4種類のアンバランスな関係

   また、人(P)と相手(O)、および対象物(X)がアンバランスな関係には以下の4種類があります。 先ほどと同様、人(P)→私、相手(O)→彼、対象物(X)→読書に置き換えると、以下のように表現されます。 アンバランスな関係も、『私は彼が嫌い』のケースにはやや疑問が出るかも知れませんが、 『私は彼が好き』のケースではアンバランスな関係に納得できるのではないでしょうか。 そして、このようなアンバランスな関係は、徐々にバランスする関係に向かいます。
   このアンバランスな関係は、L. Festinger の 『Theory of Cognitive Dissonance(認知的不協和理論)』 でも言及されており、 このような内部矛盾を抱えた心地悪い緊張状態では、以下のようなケースにおいて不協和感が強くなるとされています。 そして、この不協和感は、しばしば我々の信念や行動を変える強力な動機となります。 不協和感や緊張感を緩和するには、以下の3つの方法があります。

バランス理論の恋愛への応用

   ここではバランス理論を恋愛に応用する方法を考えてみましょう。
アンバランスな関係 『私は彼が好き、けれども私は読書が嫌い、なのに彼は読書が好き』のケースにおいて、 相手の趣味は強引に変えられませんから、『彼が好き』な状態を維持したいのであれば、 『私が読書を好き』になる以外にバランスする関係はありませんから、そのような方向で努力するのが良いでしょう。
バランス理論によれば、片思いの相手と仲良くなるには、以下の方法で努力し、それをさりげなく会話に織り込むのが良いでしょう。

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