オーバーラップ・エゴグラムとは
心理士・こころ
エゴグラムで性格診断
により、自分の長所や短所など、性格の特徴は見えてきたと思います。
自分の性格の特徴が見えてくると、気になるあの人や職場の上司、あるいは両親との相性が気になる方は多いでしょう。
本ページでは、二人のエゴグラムを重ね合わせ(overlap)たオーバーラップ・エゴグラムにより、あなたと特定の相手との相性を客観的に分析する方法についてご紹介しましょう。
オーバーラップ・エゴグラムは、二人のエゴグラムの5種類の自我状態を重ね合わせることにより、
どの自我状態の重なりが大きく、どの自我状態が重ならないかを知ることにより、二人の相性を分析しようとするものです。
エゴグラムで性格診断では、
より顕著なエゴグラム・パターンを表現するため、男女別に0点から100点で正規化された点数を使用しましたが、
オーバーラップ・エゴグラムでは正規化しない0~20点の点数をそのまま使用します。
オーバーラップ・エゴグラムは、5種類の自我状態の重なりがわかるよう棒グラフで表されることも多いのですが、
本サイトでは折れ線グラフで表示し、プラスの自我状態では値が大きいほど重なりが大きく、マイナスでは自我状態が重ならないことを意味しています。
以下、具体的なオーバーラップ・エゴグラムの例で説明しましょう。
オーバーラップ・エゴグラムの具体例
ここでは、本サイトで性格診断された秋田県に住む32歳の男性と東京都に住む27歳の女性を例にとって相性を見て行きましょう。
全く関係のない二人ですが、ここでは二人のエゴグラムを例として、二人が恋人や夫婦として上手くやって行くための相性について解説します。
秋田県に住む32歳の男性のエゴグラム
このエゴグラムは相性診断例の説明のために選択した男性のエゴグラム例です。
CP・ACおよびAが高くNPとFCが低い典型的な
W型エゴグラム・パターンの方であり、
自己矛盾による深刻な葛藤や苦悩を抱えている方と言えるでしょう。
東京都に住む27歳の女性のエゴグラム
このエゴグラムは相性診断例の説明のために選択した女性のエゴグラム例です。
V型エゴグラム・パターン
の中の変型パターンの一種であるNP・A・FCが低いなべ底型エゴグラム・パターンの方であり、
不満や怒りを抱えているにも関わらず人に気を使うあまり口に出して言えないためストレスを溜めやすいV型エゴグラム・パターンの方よりもさらに深刻な葛藤状態にあると考えられます。
秋田県に住む32歳の男性と東京都に住む27歳の女性のオーバーラップ・エゴグラム
秋田県に住む32歳の男性と東京都に住む27歳の女性の相性を表すオーバーラップ・エゴグラムです。
自我状態の重なりがプラスで高いほど、二人がその自我状態の特徴を共通して持っているため、二人の価値観が近いことを意味しています。
自我状態の重なりが0点では、二人の自我状態の重なりが無くなりますが、0点近辺であればどちらか一方の努力により相手を補う形で関係を維持することができるでしょう。
しかし、さらに自我状態の重なりがマイナスで低くなり過ぎると、あなたとお相手の言動がかみ合わないことが多くなり、その自我状態が二人の関係を維持する上での弱点になります。
以下、二人の相性についてもう少し詳しく解説しましょう。
自我状態の重なり - CP:12点, NP:1点, A:2点, FC:-10点, AC:10点
エゴグラムの開発者であるJ.M.デュセイによれば、夫婦が良好な関係を維持するためには2つ以上の自我状態の重なりが必要です。
この例では、CPとACの重なりが大きく、この条件を満たしています。
道徳心が強く責任感があるCPと、
協調性が高く人に気を使うACの重なりが大きいですので、
二人が結婚すると、多少堅苦しいでしょうが周囲とのトラブルは少ない家庭となるでしょう。
一方、
明朗活発で遊び心のFC
がかなり低くなっていますので、人生を楽しもうという雰囲気は殆どない家庭になるでしょう。
また、
思いやりのNP
や
冷静さのA
は、0を超えていますので多少重なってはいますが重なりはそれ程大きくありません。
このため、お互いを思いやる心が薄れて冷静さを欠いた二人が対立するという事態に陥る可能性は否定できないでしょう。
しかし、この二人が人生を楽しむ気持ちを高め、お互いを思いやる気持ちや冷静さを忘れなければ、二人の関係は良好に保てるでしょう。
以上のように、オーバーラップ・エゴグラムの特徴を見れば、二人の関係の特徴や弱点が一目瞭然になります。
そして、二人が良好な関係を続けるためには、お互いにどのような点を努力したり注意して行けば良いかも簡単にわかります。