感性が豊かとは
心理士・こころ
『感性』とは、人間の五感(触覚、聴覚、視覚、味覚、臭覚)から知覚する情報を基に、 美や善を感じたり人に配慮したりする非言語的あるいは直感的な能力です。
『感性』は対人関係において基本的な性格要素の一つであり、人間的魅力の重要な要素です。
また、感性が豊かな人は、そうでない人に較べて人生を楽しんでいる人と言っても過言ではないでしょう。
自分の感性がどの程度か、まだ評価をされていない方は、
感性の自己診断テストを実施し、
自分の感性に関する長所や短所を知ることから始めてみると良いでしょう。
感性を豊かにする方法
人間の五感への刺激が起点となり、脳の高次機能に作用して複雑な感覚へと連鎖した結果が感性となって現れます。
殆どの人が、日々五感から非常に多くの感覚的な刺激を受けています。
五感の感覚は勿論ですが、脳の高次機能は特に個人差が大きいですので、感性が豊かな人とそうでない人の差はかなり開きがあります。
以下、五感の各感覚による感性を豊かにする方法についてお示ししましょう。
視覚による感性を豊かにする方法
あなたの身の回りにあるものや周囲の風景など、美しいものを美しいと感じて心に留めましょう。
青空の美しさ、雲の形の美しさ、水の美しさ、朝焼けや夕焼けの美しさ、美人・イケメンの美しさ、綺麗なヌードの美しさ、写真や絵画の美しさなど、
あなたの周りには沢山美しいものがあるはずです。
触覚による感性を豊かにする方法
視覚から受ける刺激が強すぎ触覚の邪魔をしていますので、まずは目を閉じましょう。
そして、身近にあるものを触って感触を確かめてみましょう。
身近にある机や椅子、水やお湯、自分の顔や髪の毛、可能なら恋人や配偶者の肌、ヒーターの熱気、外の空気など、
今まであまり気に留めていなかった感触をしっかり心に留めましょう。
聴覚による感性を豊かにする方法
ここでも視覚から受ける刺激が強すぎ聴覚の邪魔をしていますので、まずは目を閉じましょう。
そして、風の音、雨だれの音、鳥のさえずり、音楽など、普段聴きなれた音に集中してみましょう。
普段聴きなれた音楽でも、演奏しているそれぞれの楽器に集中したり歌声に集中したりすることにより、印象が変化するでしょう。
また、普段聴かないような音楽にも興味を持ち聴いてみることにより、聴覚による感性は豊かになって行くでしょう。
臭覚による感性を豊かにする方法
ここでも視覚から受ける刺激を遮断するため目を閉じましょう。
そして、外気の香り、香水、料理や香辛料の香り、コーヒーや紅茶の香り、ワインやビールの香りなど、日常楽しんでいる様々な香りに集中して楽しみましょう。
鼻腔の奥の粘膜に並んだ数千の嗅覚受容体が、特定のにおいに活性化され大脳皮質で認識される訳ですが、
きっと臭覚があなたの日々の生活に潤いを与えてくれていたことに改めて感じることでしょう。
味覚による感性を豊かにする方法
味覚による感性を豊かにする方法は、食事の時にゆっくり味わいながら食べる習慣をつけることでしょう。
食事に含まれる素材、調味料、香辛料の一つ一つを味わい、料理人の心遣いに感謝しながら、ゆっくり味わう習慣をつけましょう。
どんなに時間に追われている時でも、食事の時は料理の味に集中し、ゆっくり味わいましょう。
五感への集中 - あるがまま瞑想
うつ病や不安障害などの精神疾患を克服する方法の一つに
あるがまま瞑想
という方法があります。
この方法は、『外界や自分自身をあるがままに観たりままに感じる』ということです。
ごく当たり前のことのようですが、普通の人はなかなかこれができていないようです。
皆さん日々多くの刺激を受けていますので、五感をフルに活用していると誤解しているようです。
アメリカの心理学者スタンレー・ミルグラムによれば、都会では情報が溢れていますので、
都会の現代人の特徴として以下の項目を挙げています。
- 情報を短時間で処理しようとする。
- 自分にとって重要ではない情報を無視する。
彼はこのような環境を『過剰負荷環境』と呼んでいますが、過剰負荷環境にさらされた現代人は、
自分にとって重要な五感の情報さえも、重要でないと錯覚し、香りや味覚を楽しむことがおろそかになっているように感じます。
感性が欠如した人は、心の豊かさがなく、周りの人に対する思いやりや気配りもできません。
また、感性が欠如した人は認知症になりやすい傾向があるとも言われています。
あなたも、仕事に追われて自分の感性が劣化していないか、常にチェックしておきましょう。