風水と家相
風水師・有希
風水には何百種類とも言われる多くの流派がありますが、
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に記述した通り、専門的でグローバルスタンダードな風水なら『飛星派(玄空派)風水』、簡略的な風水なら『八宅派風水』という住み分けができており、
どちらの流派も普遍性があり、日本でも比較的普及した手法だと言えます。
一方、日本では、古くから風水をベースに日本独自に改変された『家相』があります。
『東北は鬼門であり病人が相次ぐため玄関や台所には適さない』とか、
『南西は裏鬼門(または女鬼門)であるため女性が長時間過ごす台所には適さない』など、半ば迷信のようになっているのが家相でしょう。
また、家相にはその地方特有のローカルな家相が何百種類もあり、どれを信じて良いのかわからないというのも家相の厄介な所でしょう。
風水と家相の比較
風水のグローバルスタンダードである飛星派風水と、家相の中で比較的普遍的と考えられている家相とを様々な角度から比較してみましょう。
どちらが良い、どちらが悪いということではなく、それぞれ特徴があり、信仰する方にも違いがあります。
風水は都会・田舎あるいは老若男女に関係なく広く普及した手法であることに異論は無いでしょう。
一方、家相は比較的田舎の年配者に信仰者が多いようですが、地方地方で独特のルールが追加され風土色が豊かになっています。
住宅の方位の比較
飛星派風水
基本的には、
風水定位盤
に従いますが、各方位に位置する各飛星(九星)は、
住宅の宅向・座山の向きと住宅が完成した
三元九運
により変化します。このため、方位の吉凶は、住宅の宅向・座山の向きと住宅が完成した三元九運により変化します。
住宅の方位は、
風水方位盤
を使用して24方位から決めます。
また、飛星が悪い方位に回座した場合には風水処方を施すことにより、ある程度の対処ができます。
家相
風水定位盤
に従い、各方位に位置する各飛星(九星)は、動かず固定しています。
そして、どの住宅でも、東、東南、南、西北は吉方位、北東、南西は凶方位になります。
北東方位は最も凶意の強い方位の『鬼門』ですので、この方位には、
門・玄関などの出入り口、張り出しや欠けの構造、キッチン・浴室・トイレなど水まわりを配置してはいけません。
また、南西方位は鬼門(表鬼門)に対する裏鬼門(女鬼門)にあたり、女性の内面,健康等に影響する方位ですので、
欠けの構造、キッチン・浴室・トイレなど水まわりを配置してはいけません。
住宅の立地条件、家具・インテリア・ベッド・机の配置の比較
飛星派風水
家相
住宅の立地条件については『地相』という考え方がありますが、風水に比較すると厳密ではありません。
また、家具・インテリア・ベッド・机の配置などについて、明確な規定はありません。
普及度合いの比較
飛星派風水
住宅やマンションを選ぶ際に風水を気にする方は意外に多いようです。
これは、飛星派風水の普遍性と処方の柔軟性にあるように思います。
ある年、あまり良くない飛星がある方位に回座したとしても、これに対処する風水処方を施すことにより、
悪影響を最小限に留めることができるのはありがたい手法です。
家相
一部の地方の集落では依然普及している地域もあるようですが、全体的には風化してきている印象を受けます。
これは、家相に普遍性と柔軟性が乏しいことが理由だと思われます。
近年は、様々な方位に玄関がある住宅が増えていますが、どの家も北東方位に玄関が作れないというのは困ります。
また、マンションでは、南にベランダを持ってきますので、キッチン・浴室・トイレなど水まわりは、どうしても北に来ます。
そして北東方位がダメなら北方位か北西方位しか配置する場所が無くなってしまいます。