17歳の時のヨセフの夢占い
夢占い師・ゆめ
旧約聖書の中で有名な夢占いの話として『ヨセフの夢』があります。
ヨセフ(Joseph)は、夢占いで現実を当ててしまうという不思議な能力を持っていました。
ヨセフは、カナンの地(地中海・ヨルダン川・死海に囲まれた地域の古代の地名)で、
父ヤコブ(その後イスラエルと改名)と母ラケルの長男として生まれました。
ラケルは後妻であるため、実質的には12人兄弟の中の11男に当たります。
ヨセフは父親が年取った時の子供であるため、溺愛されていましたが、これに嫉妬した異母兄弟たちからは妬まれていました。
17歳の時のヨセフの夢占い
17歳の時にヨセフが見た夢を兄弟達に語りました。
『畑の中で穂を束ねていると、わたしが束ねた束が真直ぐに立ち、兄さんたちの束ねた束が周りに集まって来て、わたしの束にひれ伏しました。』
これを聞いた兄たちは、『何、お前が我々を支配するというのか?』と言い、兄達はヨセフを益々妬みました。
ヨセフはまた別の日に夢を見て、兄達と父に語りました。
『太陽と月と11の星がわたしにひれ伏しているのです。』
太陽とは父、月とは母、そして11の星とは兄弟達のことです。
父は、『私もお母さんも兄さんたちも、お前の前にひれ伏すというのか?』と軽く叱っただけでしたが、兄達はヨセフを益々妬みました。
隊商に奴隷として売られたヨセフ
ある日のこと、兄弟達は羊の群れを連れて出かけ、父はヨセフに兄弟達の所へ使いに行くよう頼みました。
ヨセフが来るのを見た兄弟達は、ヨセフの衣服を脱がせ彼を荒地の穴に放り込んでしまいました。
そして、たまたま通りがかったミディアン人の隊商に銀貨20枚で奴隷として売られてしまいました。
兄弟達はヨセフの服に羊の血を付け、ヨセフは野獣に襲われて死んだと父ヤコブに偽って報告しました。
それを聞いたヤコブは嘆き悲しみました。
エジプトで大成功したヨセフ
エジプトで投獄されたヨセフ
その後、ヨセフは隊商によりエジプトに連れて来られ、ファラオ(古代エジプトの王)の護衛長官ポテパルに奴隷として売られました。
容姿端麗で能力の高いヨセフはポテパルにも気に入られ、ポテパル家の管理を任されるようになりました。
しかし、ヨセフに興味を抱いたポテパルの妻は、ヨセフに再三言い寄リましたが、
断られたことに腹を立て『ヨセフが私を犯そうとした』と虚偽の証言を行い、ヨセフは投獄されることになります。
ファラオの給仕とファラオのパン焼きの夢に対するヨセフの夢占い
神のご加護の下、ヨセフは牢獄でも長官に気に入られ、牢獄の囚人を取り仕切るよう任されました。
そんな時、ファラオの給仕とファラオのパン焼きの二人が投獄されて来ました。
そして、牢獄の中で二人はそれぞれ夢を見て、これをヨセフに話しました。
給仕の見た夢は、『一本のブドウの木には3本の小枝があり、この小枝より若芽が出て花が咲き実が実り、このブドウの実を絞りファラオの杯に注ぐ』
という夢でした。
ヨセフは夢占いにより
『3本の小枝とは3日後のことで、ファラオの杯にブドウの汁を注いだのはファラオが元の職務に戻してくれることだ』
と予言し、ヨセフは給仕に『牢獄を出たら私の事を忘れないで欲しい』と頼みました。
パン焼きの夢は、
『白いパンを入れた3個のカゴが頭上にあり、一番上のカゴにはファラオのために全ての食べ物が入っていたが、鳥たちが全て食べてしまった』
という夢でした。
ヨセフは夢占いにより
『3個のカゴとは3日後のことで、頭上にあるのはファラオが死刑にして、鳥たちがあなたの死肉を食べる』
と予言しました。
給仕とパン焼き共に、ヨセフの予言通りになりました。
ファラオの見た夢
それから2年後、ファラオは夢を見ました。
その夢は、『ファラオがナイル川に立っていると、ナイル川より肉付きの良い美しい7頭の雌牛が上がり草を食べ始めました。
次に、ナイル川より痩せこけた醜い7頭の雌牛が上がり、先に上がっていた肉付きの良い美しい7頭の雌牛を食べ始めました』
というものでした。
ファラオはここで夢から覚めましたが、再び寝込んで二つ目の夢を見ました。
その夢は、『一本の茎から豊かに実った7つの穂がありました。
その後、東風に焼かれた7つの穂が出てきて、先の肥えた穂を飲み込んで行きました』
というものでした。
心配になったファラオは、エジプトの賢人、魔術師、あいは祭司などに夢解きをさせましたが誰も出来ませんでした。
その時、ファラオの給仕が牢獄で体験したヨセフの夢占いを思い出し、ファラオに進言しました。
ファラオの夢に対するヨセフの夢占い
ファラオに呼び出されたヨセフは、
『ナイル川より上がってきた肉付きの良い美しい7頭の雌牛はエジプト全土に7年の豊作をもたらす。
次に上がってきた痩せこけた醜い7頭の雌牛が前の肉付きの良い美しい7頭の雌牛を食べるのは、7年の豊作の後の7年の飢饉を現す夢である』
と夢占いによる診断結果を報告しました。
ファラオが後から見た夢も同じで、
『豊かに実った7つの穂はこれから7年の豊作、
そして東風に焼かれた7つの穂が豊かに実った7つの穂を飲み込むのは、7年の豊作の後にくる7年の飢饉を現す夢である』
と夢占いによる診断結果を報告しました。
この夢占いを聞いたファラオは、ヨセフの夢占いを尊重し、ヨセフにツァフェナト・パネアという名前と宰相という地位を与えました。
その後、宰相ツァフェナト・パネア(ヨセフ)は豊作の7年間の間に穀物を安く買い集めて蓄え、その後来るであろう7年間の飢饉に備えました。
17歳の時のヨセフの夢占いの実現
ファラオの夢に対するヨセフの夢占いの実現
ファラオの夢に対するヨセフの夢占いの通り、7年の豊作の後には飢饉が始まりました。
飢饉が始まると、エジプト各地からヨセフの元に食料を買いに来て、エジプト王家は莫大な資金を手にすることができました。
ヨセフの生まれ故郷のカナンの地でも食料不足が深刻化していました。
ヨセフの父ヤコブは、末の息子ベニヤミン(ヨセフの唯一の弟)以外の息子達に食料を買い求めるためにエジプトへ赴くよう命じます。
息子達(ヨセフの兄達)は、宰相ツァフェナト・パネア(ヨセフ)と会いますが、自分達が売り飛ばしたヨセフとは気づきません。
しかし、ヨセフは、彼らが自分の兄達であることに気づき、スパイではないかと疑い、穀物を渡す代わりに末の弟ベニヤミンを連れてくるように要求し、
兄の一人シメオンを人質としてエジプトに残させました。
兄達の誠意を試すヨセフ
兄達は、追加の穀物を買うため末の弟ベニヤミンを連れて再びエジプトを訪れます。
ここで、宰相ツァフェナト・パネア(ヨセフ)は、自分を奴隷として売った兄達の誠意を試すことを思いつきます。
兄弟たちがカナンの地に帰る前に、ヨセフは末の弟ベニヤミンの穀物袋に、自分が使う銀杯を忍ばせました。
そして兄弟たちが出発した後に彼らを追いかけ、彼らが自分の銀杯を奪ったと指摘した。
彼らの持ち物を調べた結果、ベニヤミンの穀物袋から銀杯が見つかったため、ヨセフはベニヤミンを自分の奴隷とすることを主張しました。
ところが、意外にも、兄達は自達が代わりに奴隷になるので、ベニヤミンを帰らせて欲しいと頼み込みました。
17歳の時のヨセフの夢占いの実現
ヨセフはその誠意に感激し、人間性は変えられるものだと悟り、兄達を許し自分がヨセフであることを明らかにし、今までのいきさつを兄弟達に話しました。
ヨセフは両親と兄弟たちをエジプトの最良の地ラメセスに領地を与えて移住させました。
ヨセフが17歳の時に見た夢の通り、両親と兄弟がヨセフの前にひれ伏すようになりました。
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