ミラーリング効果とは
心理士・こころ
『ミラーリング効果(Mirrorring Effect)』とは、好感を寄せている相手のしぐさ、表情あるいは動作を無意識に真似てしまったり、
自分と同じような仕草や表情を行う相手に好感を抱くような効果のことです。
『ミラー効果』、『同調効果』あるいは『姿勢反響』と呼ばれることもあります。
無意識・意識的に関わらず、相手を真似るという行為は、相手に対する尊敬や好意の気持ちを表現したものとして認識されています。
『自分のしぐさを真似る人は仲間であり味方である』という認識で無意識のうちに認識されます。
ミラーリング効果の活用法
ミラーリング効果の恋愛への活用法
心理学で実証されたミラーリング効果を積極的に活用してみましょう。
あなたの好きな人の前で以下の様な行動を実践して試してみましょう。
- 相手の話し方や表情を真似する。
- 相手が足を組めば、自分も足を組む。
- 相手が足を組み替えた時、自分も脚を組み替える。
- 相手が言ったことを繰り返して言う。
- 相手がコーヒーを注文したら、自分もコーヒーを注文する。
- 相手がコーヒーを飲もうとしたら、自分もコーヒーを飲む。
- 相手が喜んでいる時、自分も一緒に喜ぶ。
- 相手が悲しんでいる時、自分も一緒に悲しむ。
- 相手が悩んでいる時、自分も一緒に悩む。
ただし、あくまで無意識のうちに認識するのがミラーリング効果です。
あまりにも露骨に真似ると、意識的に真似をしていることがバレてしまい、反感を買うこともありますのでさりげなく行うよう注意しましょう。
ミラーリング効果のビジネスへの活用法
多くの心理学的研究により、優れた営業成績を持つ営業マンや販売員はお客のしぐさをミラーリングする傾向が高いことが知られています。
ミラーリングにより、好意や尊敬の念をお客に無意識に伝え、契約を勝ち取っていると言えるでしょう。
あなたが、営業マンや販売員であったり、お客様の苦情を処理する係りであった場合、いかのような方法を実践して試してみましょう。
- 相手がコーヒーを飲もうとしたら、自分もコーヒーを飲む。
- 相手が足を組めば、自分も足を組む。
- 相手が足を組み替えた時、自分も脚を組み替える。
- 相手が資料をめくった時、自分も資料をめくる。
- お客様の苦情や不満に同調する(『そうですね』『その通りです』『お気持ちわかります』など)。
- お客様の喜びに同調する(『よかったですね』『おめでとうございます』など)。
- お客様の悩みに同調する(『それは困りましたね』『どうしたらいいんでしょうね』など)。
また、相手のしぐさとは逆の動きを時折り混ぜることでミラーリングの効果がより高まるという報告もあります。
これは、相補的ミラーリングと呼ばれます。
例えば、
- 相手が腕を組んだ時、自分は腕を肘掛に置いたり別の位置に置き換える。
- 相手が椅子に深く座ったら自分は浅く座り直す。
などが相補的ミラーリングです。ミラーリングの動作と組み合わせて使うとより効果的でしょう。
ネガティブな同調行動
以上、相手の心を動かす同調効果について解説してきましたが、最後にネガティブな同調行動についてご紹介しておきましょう。
ポーランド生まれのアメリカ人である心理学者であるソロモン・アッシュは、
様々な質問に対して7人のサクラが最初に回答し、最後に被験者が回答するという実験を行いました。
この結果、7人のサクラがわざと間違えた解答をした場合、被験者の実に35%が間違った回答をしました。
周囲の回答を聞き、自分の回答に自信が持てなくなり、周囲に同調してしまうという心理的現象です。
まさしく周囲の圧力に負けた訳であり、この圧力を『斉一性の圧力』と呼びます。
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